6/08/2017

Appleの対インターネット広告戦略 (WWDC 2017)

FastCompanyより。そこがAppleの強みである。

インターネット広告、あなたに警告する。

今年のAppleのWWDC基調講演の鋭いメッセージの一つだった。同社は新しいHomePodスピーカスペースグレイのiMac Proのような目を引く発表がたくさんあったが、来たるiOS 11とmacOS High Sierraのアップデートの無数の機能に隠されたものは、煩わしいターゲット広告からユーザのプライバシーを守ることを目的とした機能群である。

AppleのSafariがビデオの自動再生をブロックするという発表は、プレゼン中に大きな喝采を浴びたが、iOSとmacOSのブラウザの中に組み込まれた少なくとも2つの重要な機能であり、ウェブベースの広告のやり方に大きな影響を与える可能性がある。

1つ目は、2010年にデビューしたSafariのリーダーモードのいくつかの調整である。この簡略化されたビューの背後にあるアイデアは、読みやすい形式でメインコンテンツだけをユーザに配信すことに集中し、ページの余分な要素を取り除くことにある。しかし、その合理化されたモードは広告も取り除き、コンテンツプロバイダはAppleがサイトの生計手段を狙っていると批判を引き起こしている。

リーダーはここ数年ほとんど放置されていたが、iOS 11とmac OS High Sierraでは注目を復活させており、幅広くアップグレードをしている。"それをサポートする全てのウェブ記事"のデフォルトモードとしてリーダーを設定できるようになり、多くの記事がグラッフィックを多用した複雑なウェブページよりもPDFのようなものに変える可能性がある。(以前は、まずサイトを読み込んで、リーダーに切り替える必要があった。少なくとも、あなたがサイトを離れる前に広告をはっきり見せる機会が与えられていた。)

この新機能には、より細かなオプションもあり、特定のサイトだけをリーダーモードでデフォルトによってロードするよう選択できる。そのため、あなたが特定のサイトの動作に不愉快に思えば、あなたの目に不愉快な広告を再び表示しないように指示できる。Appleの新しい自動再生ブロッッ機能はサイト毎に同様のオプションがある。

同社は、あなたを付け回すウェブ(あなたが靴を購入したとすると、その後半ダースのサイトで靴のポップアップ広告を見るようになる厄介な現象)からその広告をブロックするために最近注目を集める機械学習技術を使用するSafariの機能も発表した。その機能は、広告会社がこれらの反復広告を配信するために使用するクロスサイト・トラッキングツールをブロックし、オンラインショッピングの際にプライバシーを保護することを約束する。

失うものは何もない

これは決して驚くべきことではない。ここ数年、プライバシーがAppleのコアメッセージの一つになっており、特にGoogleやAmazonなどの主要なライバルとは全く対照的な位置に自分自身を置いている。新しいアンチトラッキング機能は、会社の収益に直接的な影響を与えないかも知れないが、Appleは慎重に戦略を描いているようだ。例えば、Appleのプライバシー保護機能の詳細については、あなたが訪問したファーストパーティ・サイトとネットワーク追跡するサードパーティとを区別しているようだ。

Google、Amazon、Facebookのような企業は、あなたのことを全て知りたいし、その情報を使って、あなたが購入したいと思う製品の広告をあなたに提示したいと考えている。良くも悪くも、それが彼らのビジネスモデルである。一方、Appleは消費者にハードウェアを販売することに重点を置いており、あなたがどこに行くか、後で何をするかについてはあまり関心がない。

あなたはGoogleやAmazonに対してこれらの新技術によって厄介払いする必要はない。(Facebookはメジャーな広告プレーヤでもあるが、Appleとの直接的な競合はそれほど高くない) これらの企業は、プライバシーや広告と自身の複雑な関係を持っており、時には奇妙で明らかに利己的な発表に繋がることもある。たとえば、先月のI/Oカンファレンスで、GoogleはChromeの時期バージョンに広告ブロッカーを、具体的には"迷惑で押し付けがましい広告"をターゲットに、組み込むと発表した。当然ながら、多くの人がすぐに指摘していたように、おそらくGoogle自身の広告は含まれていないだろう。

その点、Appleは広告レースの馬を持っていない。広告の唯一の試みであるiAdは決してうまくいっておらず、ウェブアプリではなくモバイルアプリとの関わりである。そのため、同社は自身のビジネスモデルを脅かすことがなく、インターネット広告を狙い撃ちしても差し支えない。

実際に、これらの新機能は、プライバシーとセキュリティの要塞として重視することで、Appleのイメージに有利に働いている。Appleは強力な暗号化を強く主張しているのと同じように、個人情報をデバイス上で処理を行い、差分プライバシー(Differential Privacy)のような高度な匿名化技術を奨励しており、侵略的広告の敵として位置付けは会社にはほとんど不都合な点はない。更に重要なことは、それは間違いなく顧客のために多くのメリットがあることだ。

Hacker News