4/26/2017

Googleを分割する時か?

NYTより

わずか10年で、時価総額で世界の5大企業がMicrosoftを除いて全て変わった。Exxon Mobil、General Electric、Citigroup、Shell Oilは圏外となり、Apple、Alphabet(Googleの親会社)、Amazon、Facebookがそれらの位置を占めている。

それらは全てテック企業で、それぞれが業界を支配している: Googleは検索広告で88パーセントの市場シェアを持ち、Facebook(その子会社Instagram、WhatsApp、Messenger)はモバイル・ソーシャル・トラフィックの77パーセントを占め、Amazonは電子書籍市場の74パーセントを持っている。古典的な経済用語でいえば、3社全ては独占企業である。

ウッドロウ・ウィルソン大統領がルイス・ブランダイスを最高裁判所判事に任命する前の、「大企業の呪い (the curse of bigness)」に関する議論が進んだ20世紀初頭にタイムスリップして見る。ブランダイスは独占企業を排除することを望んだのは、(彼の伝記作家メルビン・ウロフスキーの言葉を借りると)「民主社会の中で、民間パワーの過度な集中があることは 国民の自由の継続する活力に問題を招く」ためである。我々は、ブランダイスが正しかったことを知るために、2008年の金融危機で巨大銀行の経営あるいはフェイクニュース(偽ニュース)でFacebookやGoogleが果たす役割以上のことは探す必要はない。

ブランダイスは通常、規制に反対したが、必然的に規制当局の腐敗につながるのではないかと心配し、大企業の解体を主張する代わりに、電話、水道、電力会社、鉄道のような自然な独占企業を除き、1社あるいは数社が業界を支配することは理にかなっていた。

これらの企業(特にGoogle)は、競合する2社が提供するものより低価格にすることと、市場全体のサービスに対する需要を供給することで自然に独占企業になっているのだろうか? もしそうなら、公共事業のように規制する時だろうか?

電気通信が登場間もない頃の歴史的な類似点を考えて見る。

1895年の大都市の商業地区の写真は、ほとんどのビルに20本は電話線が取り付けられているのが見えるかも知れない。各電話線は様々な電話会社によって所有され、他の電話会社とは協力していなかった。ネットワーク効果が無いため、ネットワーク自身はほとんど使い物にならなかった。

その解決策は一つの企業、American Telephone and Telegraph(AT&T)が全ての小規模事業者を買収し、単一のネットワークを構築することで業界を統合したことだった。そして、自然な独占となった。政府はそれを容認したが、連邦通信委員会を通じてこの独占を規制した。

AT&T (ベル・システムとしても知られる)は料金が規制され、その利益の一定の割合を研究開発に費やすことが求められた。1925年にAT&Tは、次世代の通信技術の研究開発や、物理学やその他の科学の基礎研究を行うための独立した子会社としてベル研究所を設立した。その後50年間で、トランジスタ、マイクロチップ、太陽電池、マイクロ波、レーザー、携帯電話などデジタル時代の基礎的なものは、全てベル研究所から発明され、8つのノーベル賞も受賞した

司法省はAT&Tに電話の独占を維持することを許可した1956年の同意判決で、政府は大幅な譲歩を引き出した: これまでの全ての特許はロイヤリティーフリーで全てのアメリカの企業にライセンスされ、将来の全ての特許はわずかな手数料でライセンスされた。これらのランセンスは、テキサス・インスツルメンツ、モトローラ、フェアチャイルド・セミコンダクターなど多くのスタートアップの設立につながった。

Top5 companies

確かに、インターネットは相互運用に関して同じ問題では決してない。そして、Googleの支配に至る道はベル・システムとは異なる。それにもかかわらず、全ての公共企業の特性を持っている。

自由なモノリスが我々のプライバシーや民主主義を損なわないというふりをしており、我々は、Google、Facebook、Amazonが規制する必要のある自然な独占の類かどうか、あるいは現状維持を許可するかどうかを速やかに決定する必要がある。

Facebook、Google、Amazonが広範囲にイノベーションを妨害して来たことを否定することは不可能である。そもそも、GoogleやFacebookのプラットフォームは、大部分のアメリカ人のための全てのメディアへのアクセスポイントである。Google、Facebook、Amazonの利益は急増し、新聞出版や音楽産業のようなメディア産業は2001年以来70パーセント減少している。

労働統計局によれば、新聞社は2001年から2016年の間に従業員の半分以上を失った。数十億ドルがコンテンツ制作者から独占プラットフォームの所有者に再配分されている。広告に依存する全てのコンテンツ制作者は、自身と広大なインターネット・クラウドの間の唯一のライフラインであるアグリゲータとしてGoogleやFacebookと交渉しなければならない。

傷付いているのは新聞だけではない。2015年、2人のオバマの経済アドバイザ、ピーター・オルザグとジェイソン・ファーマンは、競争が限られた企業における「超過資本収益率」の上昇が経済不平等の原因になっていると主張する論文を発表した。MITの経済学者スコット・スターンとジョルジ・グーズマンは、これらの巨大企業が存在する所では「現職がますます有利になり、新規参入者は不利になる」と説明した。

手始めに、いくつかの明らかな規制がある。独占は買収によって作られる - GoogleはAdMobやDoubleClickを買い、FacebookはInstagramやWhatsAppを買い、Amazonは2〜3例を挙げると、Audible、Twitch、Zappos、Alexaを買収している。少なくとも、これらの会社がSpotifyやSnapchatのような他の主要な企業を買収することを許可すべきではない。

第2の選択肢は、Googleのような企業を公共企業として、検索アルゴリズム、広告取引や他の重要なイノベーションのために、ほんのわずかな手数料で、特許をランセンスすることを要求して規制することだ。

第3の選択肢は、1998年のデジタルミレニアム著作権法のセーフハーバー条項を削除することである。これによって、他の人が制作したコンテンツをFacebookやYouTubeのような企業に無料で掲載できるようになる。YouTubeに4万のイスラム国のビデオがある理由は、それを投稿した人に収益をもたらす広告が多いためで、YouTubeはネットワーク上のコンテンツに責任を負う必要がないからだ。Facebook、Google、Twitterは、ネットワークを取り締まることはとても厄介だと主張する。しかし、それは馬鹿げている: 彼らは既にポルノに対してネットワークを取り締まっている。

セーフハーバー条項を削除することは、サイトに投稿されたコンテンツにお金を払うことをソーシャルネットワークを強制することにもなる。簡単な例として、iTunes上で100万曲をダウンロードすると、音楽家とレコードレーベルは約90万ドルの利益が出る。一方、YouTube上での同じ曲の100万ストリームは約900ドルの収益である。

トランプ大統領の取り巻きにいるピーター・ティールのようなリバタリアンのテック権力者らにとって、インターネット独占企業の独占禁止法が優先事項であると、私は決して思っていない。最終的には4年待たなければならないかも知れないが、その時点で独占企業は非常に大きくなっており、唯一の手段が解体することになるだろう。GoogleにDoubleClickを売却させる。FacebookにWhatsAppとInstagramを売却させるのだ。

ウッドロウ・ウィルソンが1913年に言ったことは正しかった。「もし、独占が続くなら、独占企業が必ず政府を支配しているのだ。」我々は危険な状況で彼の言葉を無視している。


ジョナサン・タプリンは南カリフォルニア大学のアネンバーグ・イノベーション・ラボの名誉部長であり、「Move Fast and Break Things: How Google, Facebook and Amazon Cornered Culture and Undermined Democracy」の著者である。

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