3/04/2017

Apple社: プリモータム

1月にMediumに掲載されたDan Mastersの記事 より。

昨年はティム・クックが君臨して5年、"ティム・クックのApple"の3年目を記録した。最近の技術的変化で、Appleは一種の岐路に立っている。従って、私はプリモータムが目的にかなっていると考える:

プリモータムは、マネージャーがプロジェクトや組織が失敗したと仮定し、プロジェクトや組織の失敗に繋がる可能性のあるものを明らかにするため、逆向きに考えるという経営上の戦略である。このテクニックは脅威に関する積極的な議論を促進し、主要な脅威が特定される可能性を高めることによって集団思考が可能となる。

あたかも彼らが失敗したとして私が愛する会社を評価するのは簡単ではない。私はApple製品に何千ドルも費やしており、多くの時間を掛けて勉強し、感嘆し、Appleの肩を持ってきた。しかし、あまりにも多くの不自然な亀裂に気付き始め、見て見ぬ振りをしてもAppleの助けにならないと私は悟った。これは古い友人からの賢明なアドバイスを思い出した。

Appleのコミュニティは間違いを犯している。彼らはAppleが何をしているかを確認し、それが良いことだと証明しようとする。代わりに、彼らはそれ自体のメリットで判断すべきである。Appleのユーザがそれをすることに何の問題もない。

私はそれぞれの製品を個別に分析する:

  1. Apple Watch

  2. iOS

  3. Apple TV

  4. Appleのサービス

  5. Appleという会社

1. Apple Watch

Apple Watchが発表された時、ティム・クックは2007年のスティーブ・ジョブズの有名なスライドと同じ一連のスライドを示した:

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これは、各主要製品が独自の入力方法をどのようにそれに合わせているかを示すために使われている。しかし、ジョブズはそこに止まらなかった:

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一方、Apple Watchではこれを示した:

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1.5インチスクリーン上で縮んだSpringboardの中でアプリを釣ることは、調整されたUXパラダイムを作れない。Appleの「どこでもアプリ」のアプローチは、スティーブ・バルマーの下でのMicrosoftのWindows Everywhere戦略を思い出す。会社が新しい視点を持つ各々の新しいプラットフォームに全体的にアプローチする場合、このような商品が手にはいる:

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Appleでさえ、アプリ中心からヘルスウェア・ウェアラブルとして位置付けることをメッセージング・ピボットでも明らかなように部分的に認めている。しかし、watchOS 3はプロダクト・チームがマーケティングから連絡を受け取っていないことを示している。それは古いパラダイムを倍増させることを含んでいる。単にアプリスイッチャー:

代わりに彼らはGlanceを殺した。実際にデバイスのようなスナップ対話スタイルに実際に適したいくつかのUX要素の一つが必要である。

全体の結果は? 無視されたアプリや開発者が興味を持つプラットフォームや、説得力のある価値提案はまだ産み出していない製品である。

提供されたユースケースに基づき、Appleは当初はサードパーティのwatchOSアプリを、本質的に拡張現実(AR)する手段として位置付けた

拡張現実のために最も重要な材料は状況認識である。Apple Watchのレビューで、私はこの必要性を認識した:

様々なwatchフェースで色々な情報を表示することで、Apple Watchは場所に基づいてフェースを切り替えることができる。例えば、職場ではModularを、自宅ではミッキーマウスに変更する。これは様々なアラート設定を組み合わせて、位置プロファイル機能を作ることができる。

AppleWatchを使って1年過ぎた後、私はAppleがこれをさらに推し進める必要があると考えている。Springboardではなく、コンテキストがオペレーティング・システム全体の基本的なパラダイムになる必要がある。Appleは、WatchKitの代わりにProactiveKitを設計すればよかったのだ。Androidのトリガーと同じように、watchOSが見張って知的に行動する一連のトリガーを開発者に提供することができる。iOSのSiriの検索候補のよりリッチな拡張であり、watchOS上には存在しない。コンテキストはOSのすべての側面に拡張される:

現時点で、あなたは「でもね、ダン。watchOS 4まで待ってよ! 改善されるのは確実よ!!」と遮って言いそうだ。しかし、プリモータムを実行するのは、製品が既に失敗したことを想定することを中心に展開する。更に、スティーブ・ジョブズはSpringboardのリリースをiPhone OS 3まで待たなかった。ユーザ体験は製品のバリュープロポジションの中心部分である。ユーザが製品が本当に有益でないという意見を形成するなら、それを変更するのは難しくなる。従って、ユーザが本質的な実験をパブリックに計画する場合、Appleが製品をリリースすべきではないと考える。

2. iOS

昨年、人はアプリ疲れを感じているという認識があった。iMessage、SiriやMapKit App Storeが少しだけそれを和らげるのを助けたかも知れない。しかし、Appleはポストアプリ世界を考えておらず、かといってもどこでもApp Storeを追加するのを維持できない。iOSはまだまだSprintboard中心だ。確かに、iOSはアイコンが静的なグリッドという古い批判は何年経っても大いに真実である。 

AppleはSiriアプリのレコメンド/プロアクティブを通じて知性の認識力を具現化しようとしている。しかし、文字通り彼らは上乗せだけで、脇に押しやっている。通知は依然として非公開で、エンドレスなテキストリストである。ウィジェットはより長く、知的ではないリストが表示される。一方、Siri、想定される基礎情報エージェントは、まだ知らない人よりも私あるいは私のデバイスをよく分かっていない。

これを解決するには、Appleはイノベーションのジレンマの犠牲にならないよう、成功した古いパラダイムに執着してはいけない。

問題は既存の顧客や製品のアーキテクチャあるいはバリューネットワークに適用させようとするため、現職員が適切に新しいイノベーションの価値を見誤ることである。

コンテクスト・コンピューティングは次のフロンティアである: 従って、watchOSの周りを再設計するだけでなく、個々のアプリやiOSも再設計すべきである。

彼らの基本的なインターアクション・モデルを再考するよりむしろ、これらの機能をシンプルに取り換えるというAppleの現在の戦略は、階層化されたレガシーなコードを持つiTunesやiTunes Storeのような製品の結果になる。確かに、これはなぜ最近のiOSがバグが多くて、あまり洗練されていないと感じるのかを説明するのに役立つ。

3. Apple TV

Apple TVはApple Watchと同じ運命に苦しんでいる: Appleは、App StoreやSpringboardをその上から取り除いて、新しい製品と呼んでいる。彼らは基本的にiOSをリビングルームに持ち込み、少なくともエコシステム全体に統合されていないデバイスであることを除き、一見したところ悪いことではない。他の製品よりもそれを必要としているにも関わらず、Continuity(連携)機能を持たない。それどころか、煩わしいキーボード入力通知がある。そして、キーボード入力通知が不要になるよう、ログイン・ソリューションの代わりに、Appleはギャップを埋めるために競合先に依存している(さらにまた)。AirPlayはiOS 7の頃よりも使うのが難しい。プロアクティブが欠落しているため、ユーザはアイコンの巨大なグリッドを激しく上下にスワイプすることになる。ティム・クックは周知の通り、「Apple WatchでApple TVを操作するのが大好きだ」と言っていたが、既存のリモートアプリのサポートさえしていないし、今ではリモートアプリが2つあるがApple Watchで動くのは古い方だけだ。単純なワンタップ設定で、AirPodはすべてのデバイスで利用できる。ただし、Apple TVを除いて。最も重要な点は、Siriが手強いFワードで苦しんでいる。

とにかく、Springboardのアプローチは最初から間違っていた。UXはコンテンツの発見を中心に解決すべきである。聞き覚えがある? しかし、この手法を倍にするよりも、Appleは別のアプリアイコンの後ろにスタックしているため、何をしたのか? もちろん、彼らは別のアプリを作ったのだ! 明らかなアプリは最初から製品を出荷することを意味する。この"TV"アプリは発見サイドを解決するはずだった。2つの問題がある: 最も大きなストリーミングサービスが明らかに欠けていて、ユーザはアプリからコンテンツを見つけるだけの非Appleライクなソリューションが目立っている。彼らはすでに持っている(他の著しく欠落したストリーミングサービス、Amazonビデオについては一切触れない)。そして、シングルサインオンはあるが、余計に乱雑になっている。まだ混乱している?

その一方、Amazonはコンテンツ作り(アプリではなく)で素晴らしい仕事をしている。中心は:

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この点で、なぜAppleが自身のテレビサービスを提供するより、これら一時しのぎのソリューションを試しているのか疑問に思うかも知れない。第一に、貧弱なインフラ能力プライバシーのスタンスの結果、交渉のポジションが最悪である。第二に、彼らのずさんな実行が、ホビー製品の水準に留まる結果となっており、交渉力を改善することができない。

さらに、Apple Store全体を単純に利用すると言うAppleの洗練されていないアプローチは、スマートフォンのゲームを引き伸ばしただけのAndroid TVと変わらない製品を生み出した。全てのアプリカテゴリがApple TVに存在する必要はない:

結果は、ゲームへの同様の関心の欠如で、AppleはiOSではっきりとそれを示している: ゲームや単に一つのアプリのカテゴリである。それを反復するのではなく、Game Centerを廃止した。ゲームに不利なコントローラポリシーを制定作り直した。そして、200MB未満に強制することでゲームを無能にしている。64GBモデルを高く売ることができる(丁度先週、彼らは最終的にこの馬鹿げたポリシーを改正することを決めた。16ヶ月後だ)。Appleがゲームを理解していないと言う強い証拠は: ボックス全体を再設計して、巨大なヒートシンクを組み込み、トータルに利便性が低くなった。これは製品チームが本気のコンソールになると言うApple TVの元の計画があったが、マーケットチームが奪ってしまったことを示唆する。

最終的に、価値の低い提案と貧弱な実行環境の割に、比較的高価なデバイスとなってしまった。

4. Appleのサービス

私は強硬なプライバシー姿勢から生み出されるサービスに関するAppleの問題について、広範囲に渡り書いてきた。しかし、別の大きな問題がある: Appleはサービスを個別のプラットフォームというより、付加価値機能として考えている。これはハードウェア中心のビジネスモデルに起因するもので、その結果、デイバイス中心のサービスアプローチに反映されている。問題は、サービスがソフトウェアを食っていることで、しばしばお互いを区別できない。従って、AppleはサービスをiOS、macOS、tvOSと同じ重要性を持つとして扱うべきである: iCloudはそのクラス最高のものにすべきで、Siriは魅力ある音声コントロールになるようにすべきで、Apple Musicは皆の音楽ライブラリを削除すべきではないし、これらのサービスがデバイスやプラットフォーム全体でシームレスに動作するようにすべきである。

Appleはプロアクティブな機能(例えば、Siri App Suggestion)にSiriブランドを使うことを最近多少は意識し始めている。問題は単に中途半端であるという点だ。SiriはまだOS依存の機能として扱われており、Appleはまだどこにどの機能を出すかを選んでいる(cherry-pick)。上記のように、フラグメント化が発生する。iCloudに関しては、ウェブ上でひどい動作で、しばしばデバイス間の同期に問題があり、データを失う問題が発生することさえある。これはスティーブのシームレスなクラウド・コンピューティングというオリジナルのビジョンから似ても似つかないものである。

さらに、iCloudはクラウドのハードドライブ以上のものとして扱われるべきである。AppleはiCloud KeychainをIDソリューションの中に拡張することで、複数デバイス上にログイン画面の必要性を取り除くべきである。iCloudは、デバイス全体がiCloud Backupでリストアするよりも、アプリを再ダウンロードした際にユーザがバックアップアプリのデータをリストアできるようにすることで、自動アプリデータ同期を提供する。Siriデータは各ユーザのデバイスをパーソナライズするためには、iCloudと同期すべきである。

サービスは製品の魂、ハードウェアは脳と知性と同じくらい重要であることをAppleは認識する必要がある。

5. Appleという会社

ウォルター・アイザクソンがスティーブ・ジョブズに最高の製品を尋ねたところ、彼は「私が最も誇りに思うのはAppleと私がAppleで作り上げたチームだ。」と答えた。スティーブはお互いに挑戦するのを恐れないA+プレーヤを雇用することの重要性を繰り返し強調した

チームを介して、信じられないほど才能のある人々のグループを介して、お互いにぶつかり、議論をし、時には戦い、騒ぎ立て、一緒に働いて互いに磨きをかけ、アイデアを磨いていく。そして、結果として本当に美しい石になる。

Appleの最大の脅威はこのカルチャーを失いつつあることだ。今の会社を見ると、私はこれが確かに起こっていることを憂慮している:

  1. 彼らは、AIやクラウドの専門家を引き受け、抱えておくことが非常に困難である。

  2. リーダーシップの欠如で、呼び込むことができるクラウドの才能の中で混乱や内輪揉めをもたらしている。これが何年も発展を遅らせてきた。その結果、複雑なインフラの問題が解決されず、その代わり一時しのぎの解決が実行に移された。新しいA+の候補は不快になっている。

  3. Appleのマーケティングやエンジニアリング・チームはビジョンの統一性に欠け、代わりに うまくいくかどうかを見極めるアプローチを取り、最高の製品を提供することより期限を優先する。これにより、製品開発の焦点が合わなくなり、製品の評判を落とすことになった(Apple TVはごく最近の例である)。

  4. スティーブ・ジョブズの最後の基調講演を見終わった後、そのコントラストに舌を巻いた。Appleの自己認識の空気はますます自画自賛の態度に置き換えられているように見える。Appleは、記者会見の数が増えたことを含めてほとんどいつも自分自身を誉めているが、ジョブズとフォーストールはiOS 4とMobileMeの欠点を公然と認めた。Appleは欠陥が明らかにならないように自身の製品を惚れ込んではいけない、あるいは自分の業績を誇りにしてはいけない。

  5. ティム・クックの最初の変化の一つは、スティーブ・ジョブズが厳選した元NeXTの従業員で、iPhoneのパイオニアであるスコット・フォーストールを解雇することだった。公式な理由は、悪名高いAppleマップの謝罪文書に署名することを拒否したためであった。しかし、事実は、他の幹部が突然彼と衝突するようになったためと思われる。そして、ティム・クックは持ち前の管理的役割で衝突の解決を遂行することができない。多くの人々はこの衝突を取り除くことがAppleに有益だと思うが、フォーストールは最高の製品を生み出すために必要なものとして言われるスティーブ・ジョブズというキャラクターを正確に具現化していた。スティーブ・ジョブズ自身、大抵はとても敵対的で、伝説的なキャラクターで、人と仲良く付き合うことはなかったと伝えられている。実際、元従業員のマイケル・ランド・ロップは、「Appleでのことで、フォストールに関するカフェ・マックのおしゃべりは、彼がジョブズの様々な特徴を示していたので、ジョブズの唯一の正統な後継者だったということだった。」と述べている。残念ながら、ティム・クックの動きは完全に予測可能だった。

責任者として、CEOが行うべき経営/履行で最初にやるべき事の一つは、組織内の混沌と混乱を取り除くことである。CEOは安定性、プロセス、繰り返し可能な実行を評価する。一方で、予測可能性に優れているが、しばしばクリエイティブなデススパイラルを始める。クリエイティブな人が離れ始め、他の執行者(古いリーダの革新的な才能のない)が上級の役職に就き、プロセスな人をたくさん雇い、残ったクリエイティブな才能を次々と解雇する。

このカルチャーの変化はトップから下に広がり、かつて世界を変える使命を持つ会社のように感じたことは今や別の仕事のように感じられる。

そして、フォーストールの解雇は始まりに過ぎなかったことが明らかになっている:

スティーブ・ジョブズはAppleの最高の顧客擁護者だった。彼が去ってから、他の誰がこの役割を果たしているかは明らかではない。

私はこの質問を何ヶ月も考えており、Appleの幹部チームには卓越した人物が誰もいない。彼らは自身のそれぞれの部門の能力では全て優れているが、それだけのことだ。しかし、私はフォストールが最も近い後継者だったと信じている。

結論

私はAppleがあと50年続いていくれることを願っている。それが私がこれを書いた理由である。

確かに、Appleはそれを期待している:

我々はどのくらい素晴らしいか、どのくらい大きいかを伝える必要はない。そういうことではなく、そうなることを願わない。P/E(株価収益率)についてではなく、市場価値に関することでもない。つまり、確かに財務チームはそれについて心配しなければならない。しかし、私たちの残りにとって、それは、我々は最高の製品を作っているか? 我々がしていることを皆が好きになってくれるか? それは人生を変えているか? もし、そうでなければ、そうなるまで前進する。

そして、それには良い場所である。

Hacker News