12/16/2016

シュナイアー氏の次の4年間の優先事項

シュナイアーのブログより。シュナイアー氏の反トランプ宣言。

多くの人同様、私は大統領としてドナルド・トランプの選出に驚き、呆れ返った。私は、彼の考え、気質、経験不足が我が国及び世界にとって深刻な脅威であると考えている。急に、私が取り組みを計画していた全ての事がそれに比べると些細な事に思えた。インターネットセキュリティやプライバシはリスクという点で、最も重要な政策分野ではないが、彼や何より閣僚、政権、そして議会が、米国内や世界中のその分野において破壊的な影響をもたらすだろうと思う。

選挙結果は非常に接近しており、運の悪い結果だと分かった。あちこち少数のマイナーなツイートで、もっと熱狂的なサンダース支持者がいたら、コメイの発表がもう少しあとだったら、ロシアの関与がわずかなら、そうすれば、国はクリントンが大統領職に就く準備をし、もっと異なる社会の話を議論していただろう。その新しい物語(alternative narrative)はいつも通りにビジネスを重視し、我々の社会の中にある深い社会的な問題を曖昧にし続けるだろう。それらの問題は自分自身で解決できないだろうし、この選択的未来において、それらは着実に水面下で悪化し続けるだろう。この選挙はそれらの問題を万人の目に見える形で明らかにした。

私は先月、この現実を潔く受け入れつつ、未来について考えて過ごした。今後4年間の私の新しい課題は次の通り:

一つは、闘いに戦うこと(fight the fights)。より政府や企業の監視は強くなるだろう。私は次の内容に沿って立法と司法の論争に期待している: 暗号へのバックドアに対するFBIの新たな呼びかけ、令状なしで政府が行うハッキングへの自由裁量、企業の監視に対する規制緩和、企業が持つデータへの秘密の政府要求。私は他の国々が我々の先例にならうと予想する。(イギリスはすでに我々よりももっと極端である。) そして、もしトランプの監視下で大規模なテロ攻撃が起こったなら、我々の自由が厳しい時期となるだろう。我々はこれらの戦いで多くを失うかも知れない。しかし、可能な限り失うものを少なくし、今の自由を少しでも守る必要がある。

二つ目は、それらの闘いに準備すること。今後4年間の多くは受身的(reactive)になるだろうが、ある程度は準備できる。保存されていた監視データのアーカイブを削除し、必要な場合にのみ、必要なもののみを保持するよう米国の産業界を説得できれば、我々全員がより安全になる。我々はビジネスモデルを監視資本主義から転換するよう、GoogleやFacebookのようなインターネットの大企業を説得する必要がある。それは受け入れが困難な提案であるが、もしかするとギリギリのところで理解を示すかもしれない。同じように、我々はプライバシーやセキュリティが対立しないし、むしろお互いに必要不可欠であるという分かり切ったことを推し進める必要がある。

三つ目はより良い未来のための基礎を気づくこと。今後の4年間がどんなに悪くあろうとも、私はトランプ政権が永久に米国でのプライバシー、自主独立(freedom)、自由(liberty)を終わらせるとは思っていない。私は民主主義のラジカルな変化の予兆となっているとは思わない。(もしそうなら、「自由で安全なインターネット」よりも大きな課題を抱えることになる)。トランプの制度変更のいくつかは、元に戻すのに数十年要するかもしれないのは事実である。たとえそうであっても、私は楽観的でさえあるがアメリカはいずれは意見を変えると確信している。その時がきたら、我々は意見を変えた人々のための環境を整えるいいアイデアが必要である。これは監視を必要としないインターネットビジネスモデルの提案、プライバシーを保護する効果的な法的措置の研究、どのように企業が我々のデータを収集して利用するかの合理的な制限などを意味する。

そして四つ目は、現存する問題を解決し続けること。サイバー犯罪、サイバー偵察、サイバー戦争、モノのインターネット、アルゴリズムの意思決定、我々の選挙への外国の妨害などの重大なセキュリティ問題は、トランプの度を超えた行為(excesses)との戦いに忙しいであろう4年間で、消えるわけではない。我々はより安全なデジタル未来に向けて努力し続ける必要がある。そして、軍事ネットワークのサイバーセキュリティと、誰にとってもサイバーセキュリティと関係がある重要なインフラの範囲で、我々はおそらくトランプと協力する必要があるだろう。

それらが私の4つの分野である。クリントン政権下なら、私のリストはほとんど変わらないものだったろう。トランプの選択で、脅威がはるかに大きくなっており、闘いに勝つのが難しくなっている。それは私自身が実行できること以上のもので、従って、これらの分野で活動し続けているEPICEFFACLUAccess Nowのような組織をサポートするため、私は例年行う寄付(慈善活動)を大幅に増やしている。

私の課題はどうしても特定の懸念する分野に完全に集中してしまう点だ。トランプ大統領のリスクははるかに多くの分野で有害だが、これが私の専門知識と影響力を持つ場所である。

目下のところ、敗北したマジョリティだ。多くが怯えており、多くが意欲を起こしている。そして、わずかかもしれないが、積極的にやる気を出している人がいる。我々は、このままでは問題は悪化し、解決策はもっと極端になってしまうため、4年あるいは8年待つのではなく、今まさに恐れや社会を元に戻し始めるための活力を生かす必要がある。私はあたかもこれが天然痘ではなく牛痘だったかのように進展するのを望んでいる: 今日、無害なうちに病気と闘う方が、将来悪質な形になってしまった後より遥かに簡単である。今後の4年間、熱心さ(intensity)を維持するのは難しいだろうが、我々は努力する必要がある。トランプの勝利を、そうするための警鐘と機会として利用しよう。

Hacker NewsBoingBoing

更新(2016.12.22)

yomoyomoさんが訳している